思うこと

【高齢者】食べられなくなった高齢者へどう対応するべきか。介護士・家族の2つの視点を持つ私が思うこと。

こんにちは、nono(@nn00km)です。

毎日私たちは、ご飯を食べて、活動して、眠るというサイクルを繰り返しています。

あるドラマで「食べることは、生きること」という台詞がありました。

高齢者施設で働いているとまさにそうだなと感じます。

たくさんご飯を食べる人は、大きな声を出せるくらい元気だし、あまり食べない人はどんどん細くなっていきます。

私は、食べる食べないの境目が生死の境目だと思っています。

ご飯を食べられなくなったら、延命処置はされたくないし、静かに最後を迎えたいです。

だけど、もし食べなくなったのが自分の家族だったら?

そんな風に簡単に割り切れるでしょうか?

私の祖母は、現在特別養護老人ホームで暮らしています。

今まで介護士として日常の手伝いをしていた私は、家族として介護をお願いする立場にもなりました。

今日は2つの視点をもつ私が、それぞれの立場で食べなくなった高齢者について考えてみたいと思います。

介護士としての私

介護士の業務のなかには、食事介助があります。

食べることを楽しみにしている方は、とても多いです。

食べる意欲はあるものの、自分で食べることが難しい方に対して食事の手伝いを行います。

介護の基本は「自立支援」

その方の希望に寄り添うということです。

けれど、食事をしないことはそのまま死に繋がります。

「利用者が食事を嫌がったから、食べさせませんでした」とすぐに諦めることはできません。

食べてもらえる方法を試行錯誤し、食べる量が減らないようにします。

食べなかったら、死んでしまう。

そう思うと、少しくらい嫌がっても食べてもらおうとします。

無理やりの介助は「虐待」です。

どこまで介入すべきなのか、の線引きに迷う介護士は多いです。

食べさせることを諦めることは、「見殺し」しているような気持ちになるからです。

近くで見ているからこそ、やめるという判断が難しいのだと思います。

中には食べることをそんなに頑張らなくていいのでは、と思う高齢者もいます。

食べる量が少なくても、食事中に笑顔が見えたり楽しそうな姿があれば、それで十分。

そういう瞬間を作るために介護士は力を注ぐべきだと思うのです。

ご家族から「食事を食べさせてほしい」と希望される場合もあります。

本人が意思を伝えられない場合、ご家族の判断を仰ぎます。

「食べられる状態じゃないのに‥」と思っても介護士が独断でやめることは難しいです。

なぜなら、本人だけでなく、ご家族の気持ちも尊重する必要があるからです。

家族としての私

もし自分の祖母が突然食事をしなくなったら。

そう考えたときに、無理をさせないでくださいとすぐに言えるでしょうか。

私のことが分からなくても、寝たきりのままだとしても、大事な家族に変わりありません。

長生きしてほしいですし、ちょっとでもいいから食べてほしいと思います。

少ない量でカロリーのとれる栄養補助食品も検討したいです。

本人が拒否する、と言われても介護士に食べさせてほしいと思ってしまうかもしれません。

ちょっと頑張れば食べられるなら、なおさらです。

「食事の提供を中止する」には、家族の決断が必要です。

けれど、突然決めることはできません。

心の準備をしたいです。

嫌がるのに、生きるために無理やりにでも食べさせたほうがいいのか。

どうすればよいのか迷ってしまうと思います。

苦しい思いはしてほしくない。

だけど、いなくなってしまうのはさみしい。

祖母の発言は、どこまでが本音なのか分かりにくいです。

介護士やお医者さんの意見も聞きたいと思います。

迷うのは当たり前。だって正解はないのだから。

本人からのはっきりとした意見を聞けない場合、周りがどうするかを判断するしかありません。

「終の棲家」とされる特養や有料老人ホームでは、看取りに向けたターミナルケアプランというのを作成します。

ご家族の意向、職員たちのカンファレンス、お医者さんとの面談(ムンテラ)を通して方向性を共有し、まとめたものです。

そのために、家族は家族間、施設の両方と情報を共有しておくことが必要です。

施設での食事はやめて、本人の好きなものを食べられる分だけ食べさせるという方法を選ぶご家族もいます。

食べられなくなったら点滴を、と希望される方もいます。(点滴も延命処置です)

どれが正しい、というのはありません。

迷うのも当たり前です。

大切なのは、その方法に対して周りが納得しているかどうか。

納得できないまま最期を迎えてしまうと、後悔に繋がります。

最期が近い高齢者は、それに向かって身体も準備をしているのか、食事量は減ってもそれほど苦しくないと聞きます。

本当のところは分かりません。

介護の現場は、ご家族も含めたチームケアです。横のつながりがとっても大事。

穏やかな最期を迎えられてよかった。

本人だけでなく、周りもそう思える方法を模索していくことが必要なんだと思います。

終わりに

2つの視点、いかがでしたか?

介護士寄りの視点が強くなってしまった感じもしますが‥

どちらかの視点しか持っていない方にもご参考になればと思います。

繰り返しになりますが、介護に正解はありません。

家族の数だけ方法があります。

その方にとって、どうすることが幸せなのか。

考えることをあきらめないでほしいなと思います。

nono